日本の資格はドイツで通用しますか?

石川さん はじめまして。
K・Sといいます。
27才の男子で現在○○○○学校の一年生です。
最近将来海外で働くことを考えていて石川さんのブログをたまに拝見しています。
基本的な質問なのですが、日本のあんまマッサージ指圧師免許はドイツでは通用するのでしょうか。石川さんがドイツでの国家資格を取得されたと言うことは、ドイツでマッサージ行為を仕事として行うには資格が必要だからということなのでしょうか。それともさらなる勉強のために取得されたのでしょうか。
海外の免許が日本で通用しないことと同様に先進国では基本的に他国の資格は通用しないのでしょうか。 (とはいえ日本の指圧師で海外で活躍している方々の話しは良く聞きます) 
彼らは日本で言うところの「無資格者」に該当するのでしょうか。

不勉強で申し訳ありませんがドイツやヨーロッパの医療制度、免許制度について知りたいのです。
よろしければお時間のある時にブログで触れて頂けないでしょうか。
海外で働くことに関心をもっているクラスメートも少なからずいるのでとても参考になるとおもいます。

よろしくおねがいします。

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K・S様
返信が遅れ申し訳ありません。

日本の「指圧、マッサージ」の国家資格がドイツで認められるかどうか?働けるか?
というご質問ですが、ドイツには16の州があり最終的にはその州の担当局が判断する、
と私は理解しています。
(この件について後述します)


「 追記 2015年10月
マッサージ師の資格は判りませんが、
日本の理学療法士の資格はドイツで書き換えられます。」


仮に認められなくても仕事は出来ます。

ドイツの国家資格を持っていなくても、マッサージや指圧で収入を得ている方たちは
沢山います。ただドイツでは医療行為にはなりません。

1)ドイツではマッサージも医療制度に含まれ、医者の処方箋をもとに健康保険を
利用出来ます。
故にマッサージ師は自分達のことを「医療マッサージ師」といいます。


治療師がドイツの国家資格を持っていないと、上記(1)の健康保険を使えません。
日本と同じように完全な自由診療になります。
例えば、ホテルやサウナ、タイ式マッサージのサロンなどがそれに該当します。
これは予想ですが、そこで働いている外国人の方々は、ドイツの治療資格を持って
いない方が多いと思います。

私がドイツの資格を取った大きな理由は、このドイツの健康保険制度を使うためです。
治療代のほとんどが還付されるので、患者さんの経済的負担が少なくて済むからです。


2)外国人がドイツで働くためには「滞在許可」が必要で、尚且つ労働内容がそこに
書かれていないと働けません。

日本から来る場合、こちらのハードルが高いと思います。
観光ビザで来ても働けないし、正規の語学学校に通えば、その期間内の滞在ビザは
出してもらえるでしょうが、働けません。
雇用者、つまり就職先が初めに決まっている必要があります。

ワーキングホリデーという手もあるけど、滞在は12ヶ月で90日しか働けません。

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私がドイツに来た当時の事は残念ながら参考になりませんが、資格が認められるか
どうか?は、私にとっても戦いだったので簡単に書いてみます。

最初の職場はデュッセルドルフにあった、ドイツ人マッサージ師が経営する
指圧治療院。この経営者から指圧学校に求人依頼がきました。
20年前、外国で働きたい人間は学校で私しかいませんでした。
就職先が決まっていたので、滞在許可と労働許可が1年分正規におりました。

患者さんは日本人が多く、ドイツ人の患者さんとも英語で会話していました。
経営者が有資格者だったので、患者さん達のほとんどは保険を利用していました。

(今回はこのテーマに触れませんが、仮に私が無資格者の人間を雇って治療させて、
その治療代を私が保険請求できるのか---???。
当時はまさにその状態だった訳ですが、これは私も調べる必要があるでしょうね)

私が無知だったのですが、この経営者は労働契約書を故意に作成しませんでした。
給料は現金で手渡し。健康保険は全額自己負担。有給休暇なし。労働時間も曖昧。
最後は自分で税金納めろ、とまで。

こちらで知り合った方々に聞いたら、全員口をそろえて、
「それは労働法に違反しているよー」とのこと。

もし私が自営業者だったら、この条件でも問題ないのです。
つまりフリーで働く、自分で保険を払い、税金を納める、ということです。
しかし、ドイツに来て1年目の人間は自分で会社を設立しない限り、フリーでは
働けません。

まあ、騙されてドイツに来たわけです。

たしか、メルマガ「指圧健康堂」にもその後の事は書いたと思いますが、
10ヶ月で解雇された後、レストランでアルバイトをして生活。
滞在許可も1年で切れるので、語学学校に一期2ヶ月入学して延長。
さらに2ヶ月延長して、仕事が無ければ日本へ、と思っていたところで、
病院に勤務するマッサージ師と知り合い、その彼の紹介で病院に就職しました。

奇跡ですね。はっきり言って。

最後は自分の意志を離れ、まわりがお膳立てをしてくれた様な感じでドイツに
残る事が出来ました。

このときは日本の「指圧、マッサージ」の資格が認められました。
当然病院ですから、保険患者ばかり治療していました。

3年間勤務した後、ナショナルチームで4年働いて、チームドクターの
紹介で働こうとした職場がありました。
その時、労働局から「待った!」がかかりました。
日本の資格は認められない、と。

後述すると書いた理由はここにあります。
最初の認められた病院は、ノルトライン-ヴェストファーレン州。
認められなかったのは、バイエルン州です。

バイエルンの役所で病院勤めをしていた事を話すと、面白い事に、
「貴方の日本の資格では、ドイツ国内どの州であれ、仕事は出来ない」
ときっぱり言われました。
それは、ノルトライン-ヴェストファーレン州のミスであると。

3年間の病院勤務もナショナルチームの4年間も奇跡だったんですね。
ラッキー以外何ものでもない。

しかしこの7年間ちゃんと社会保険料を納めていたおかげで、その後生活に
支障をきたすことなく、1年半の間、フランクフルトでマッサージ学校に通い、
国家資格を取る事が出来ました。

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K・S様

私の場合あまりにも不確定要素が多くて、つまりラッキーの連続で参考になり
にくいと思います。

結論を言うと、

就職先を見つけて日本を飛び出すことでしょうか。

契約書を交わすのは常識です。
契約内容は確認してサインする事。内容が理解出来ないのであれば一度持ち
帰って確認し、判る人に相談する事です。

経済的に余裕があれば、日本でとことん語学を勉強してこちらで資格を取る事を
勧めます。最終的に日本に帰る事になっても、ドイツで取得した資格と経験は
日本で将来、必ず役に立ちます。

(2015年10月 追記 ドイツの資格は日本で書き換えられます)


最後に一言アドバイスさせて下さい。

「自分の10年後をイメージする努力」をしたほうが良いと思います。

10年後に自分は何をしたいのか?、自分はどうなっていたいのか?
と意識して決意する事が、その為に今何をしなければならないか?
と考える機会にもなります。

夢の実現に向かって頑張ってください。
ドイツから応援しています。



お言葉に甘え、ブログに掲載させていただきます。

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No title

はじめまして
私は日本で指圧・マッサージの国家資格の要らないボディセラビストをしています。来年ドイツで歯たら行きたいと思っていますが私のようなセラピストとして働けるかはどうなんでしょうか?

Re: No title

中山さん、ご連絡ありがとうございます。
医療施設で働くことは出来ないでしょう。
そして、まだお会いしていない方に言うのは大変失礼ですが、貴君の日本語レベルでは
独語習得は大変厳しいと思われます。(ひょっとしたら、帰国子女の方ですか?)
働くとすれば日本人相手になると思いますが、フランクフルト市内だと「銀座マツナガ」
という美容院の中でそういう施設があると聞いています。
ドイツはワーキングホリデーの制度もあります。
一度コンタクトを取ってみては如何でしょうか?

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プロフィール

shiatsukenkodo

Author:shiatsukenkodo
--------------------------------------------
・石川 正使 丑年生まれ

・在独29年(治療師歴29年)

・独日の治療国家資格を持つ、世界で一番患者さんに恵まれている治療師

・指圧師
 独・医療マッサージ師
 独・理学療法士
 独・リンパドレナージュ
   治療師
 独・スポーツ理学療法士

・ドイツスキーナショナルチームの専属治療師として世界中を転戦

・ドイツチームでオリンピックに参加した唯一の日本人

・渡独前の夢はすべて実現させました

・お陰様で自分の腕一本で海外生活させていただいています

・この仕事が大好き

・今が一番楽しいです

----------------------

・仕事で一番大事な指の怪我が心配で、高校1年生からのめり込んだラグビーを、40歳で引退

・ラグビーを辞めても、好きなスポーツの順番は変わらず、ラグビー、自転車、スキーの順

・健康維持とストレス発散の為、一年中、毎日往復20kmの自転車通勤で、体力抜群のドイツ人相手にバトルを繰り返す毎日を送っている、下りが苦手な元登録レーサー

・生涯のモットーは、

 「人生は強気で行く」
 
 「本物を目指す」

・ ライフワークは

 「治療の探求」

 「ドイツ語の上達」

----------------------

・どう見られるかより「どう在りたいか」を常に自分に問いたい

・生きていく為の仕事ではなく、仕事の為に生きていく人生

・21歳で天職と決めたこの仕事で「知命」を迎え、全ての夢を叶え、生計を立てられる幸せを沸々と感じる昨今

・「職人」「求道心」「前進」

・ブレない生き方

・「初心」「基本」「患者さんを思う心」の難しさ、大切さが最近やっと判りかけてきました

・25年以上もかかってやっと、「治療の基礎」が確立してきたかなぁー、と思う今日この頃

・それに比例して日々増していく「治療は難しい」という思い

・治療を追求すればするほど天井の低い「先細りの筒の中」を進んで行く感じがします

・治療でも人生でも最後の勝負を決するのは、「気」ではないかと考えています

・全ての夢を叶えさせてくれたドイツに感謝

・90歳まで現役治療師として、患者さんに喜んで頂き、社会に貢献する事を、毎朝深く祈念しています

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