ドイツ-ケルンのブルベ300km 2

先週は朝4℃位に下がった日がありました。
今週は最低気温でもずーっと10℃以上。
日中も暖かくなるようです。

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180km地点のモンタバウアーに到着。
ここで20時を過ぎていました。

モンタバウアーのお城です。


s-DSC03445.jpg


ブルベは全て自己責任。
収容車なんか来てくれません。
DNFになっても自力でスタート地点に帰らなければなりません。

足切りタイムの19時を過ぎたところで、どうやって帰るかを走りながら
考えていました。
モンタバウアーからケルンまで電車に乗ろうかなぁって。

モンタバウアーの駅前で野田さん

s-DSC03446.jpg


しかしこの駅はICE(日本の新幹線ですね)しか停まらないのです。
野田さんが買ったばかりのiPhoneで調べると、分解していない
自転車は載せられないらしい。(車掌の判断によるらしいですが)

これでモンタバウアーからの電車帰りは諦めることに。

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ちなみに野田さんの案はこのまま自転車で戻る、というもの(驚!)
もちろん正規の120kmを走るのではなく近道で。(安堵!)

GPSでチェックすると、それでも山道で70数キロ、平地なら
90キロ弱というところ。
午前2時位には着くんじゃないかしらという予想。

でもその前にグルメな野田さんらしく、
「ちゃんと食事をしたい」というご提案(笑)

さすがにこの「食事案」には反対させて頂きました。
緊張が切れてしまうし、しっかり食べたら走れません。
到着が朝になっちゃいますよ!

僕の代替案は、コブレンツまで走って食事。
そこからケルンまで電車というもの。

賛成していただきGPSでチェックすると山越えで20km。
コブレンツからライン川沿い(つまり平地です)を自転車で走ると90kmで着くなぁ、
という野田さんの独り言を聞き流し、とりあえず出発。

実はモンタバウアーに向かって走っている途中に、「コブレンツまで23km」
という右折の標識を見ていたんです。

あそこで決断しておけばレストランで食事する時間も取れたかなぁ。

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コブレンツに向かう途中で日が暮れて真っ暗になりました。

旧市街に入ってから野田さんが、ベートーベンの母親が住んでいた家に
案内してくれました。

ライン川を渡って駅に到着。
ほぼ22時。

インフォで聞くと、22時18分発、ケルン行きの電車がありました。
次は1時間後です。
レストランでの食事はパス。

自動販売機でチェックすると38ユーロ。
急いでチケットを買おうとしたら後ろから話しかけてくる男がいます。

何でも週末チケット(このチケット一枚で他に5人乗れるらしい)を持って
いるから、一緒に乗っけてってやるぞ、一人10ユーロでどうだ、と。

そのドイツ人を見ると、申し訳ないけど普通なら絶対お付き合いしない
タイプのオッサン。

一人なら無視して切符を買っていたと思います。
まあでも野田さんと一緒だから大丈夫か、とその申し出を受ける事に。

良かったなー、38ユーロも払わなくて、
お前ら儲かったなー。とオッサン。

お前も20ユーロ儲かったろ!
とすかさず野田さんがツッコミを入れてました。

ホームに向かう途中でオッサンの若い同僚も合流。
4人と2台の自転車でガラガラに空いた電車に乗り込みます。

スタート地点に一番近い駅まで1時間9分。
23時27分到着予定。

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2階建ての電車。対面式の椅子(折りたたみ式)なので
自転車を置くスペースはたっぷりあります。

オッサンは最初、椅子に座らず床に足を投げ出して座りました。
やっぱり変な人でした。
若い同僚は僕の隣に。

4人でいろんな話をしました。
ここでの主役はもちろん野田さんです。

若い同僚の、この自転車カーボン製だろ?という質問から
自転車の話題に。

野田さんの、
「今日は調子が悪くて、たった200kmちょっとしか走ってないんだよー」
に二人の目が丸くなってました。

オッサンの、
「高いんだろ?この自転車、800ユーロ位か?」
でこの話題を打ち切りました。

僕が見るに、二人とも典型的な3交代制の作業員でしょう。
隣の彼がリュックサックを開けたとき、空のビール瓶、ミルク瓶、
炭酸水の瓶、プラスチックの弁当箱が見えました。

でもこの隣に座った彼。
礼儀正しく、正確で綺麗なドイツ語を話しました。

夜間学校に行くか週末に勉強して、キャリアアップすれば良いのに、
と要らぬお節介をしてしまいそうになる僕でした。

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若い彼が途中下車すると、オッサンは切符を野田さんに預けて
2階の座席に移っていきました。
検札が来たら呼んでくれと言って。

次に話し相手になったのが、近くにいたチョイ悪風のオッサン。
しかし---何で今日はこんな人ばかり近くに来るんでしょう?

話していたら同じ駅で下車することが判りました。
その後乗り換えて自宅に着くのが2時。
4時には仕事で起きなければならないと言ってました。

このチョイ悪風オッサンは何とイタリア人のハーフ。
あれクォーターだっけ?で、イタリア語はペラだそうです。
見た目で判断してはいけませんね。

そろそろ着くころだろうなと思っていました。
でもアナウンスは別の駅名をコールしたので安心していたら、
何とやはりそこが下車駅。

降り損ねて次の駅まで。結構長い距離を走ったような。
我々は自転車だから何とかなるけど、このチョイ悪風オッサン
が可哀想。結局ケルンで乗り換えるそうです。

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電車内で体力も回復。
結構良いペースでスタート地点へ。トータルで230km走っていました。
到着は1時を過ぎていたと思います。

マクドナルドへ行こうという野田さんを、運動後30分以内のバナナと牛乳が
翌日に疲労を残さないと説得。
ガソリンスタンドで牛乳を購入。(野田さんが払ってくれました)

ホテルに戻り、バナナと牛乳でお疲れさん会。
寝たのは2時過ぎでしたかねぇ。

長い一日でした。
色々ありましたねぇ。(笑)

疲れているはずなのに翌朝は8時前にスッキリと目が覚めました。

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敗因は?と聞かれれば、ちょっとゆっくり走り過ぎましたかねぇ。

まあでも後述しますが、DNFなんて小さい小さい。
もっと大事なことが隠れています。

次回は大丈夫ですよ。
体力的に300km走るのは全然問題無いですから。


74km地点のチェックポイント、エッフェルズベルグ電波望遠鏡


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この野田さんと並走している青い服の彼。
アンドレアスっていったかな。
野田さんと以前どこかのブルベで走っている人だそうです。


s-DSC03429.jpg


ここのチェックポイントに先に到着したアンドレアス。
ソーセージとフライドポテトを美味そうに食べているではありませんか。

普段ならこんな食事、おまけにブルベの最中には絶対しないところですが、
彼の美味そうな食事姿に僕も反射的に注文してしまいました。

この辺が今回の遠足気分を表していますね。(笑)
野田さんもレバーケーゼ食べてましたけど。

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景色は良かったですよ。


s-DSC03435_20110502044815.jpg


タンポポが群生していました。


s-DSC03440.jpg


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楽しかったですね。とにかく。
本当に楽しかったです。

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僕は自分に起こったことに偶然は無いと考える人です。

翌朝運転しながら、昨日電車の中で会った人達の事を考えていました。
今回のブルベのキーポイントです。

書いたように、普段なら友達にならない、絶対話すこともない、
そして僕の患者さんにはならない人達です。

何故あの場所に自分がいたのか?
いなければならなかったのか?

一つはあの形でドイツ社会を僕に見せてくれたんでしょうね。
改めて今回、自分の境涯に感謝しました。

哲学的ですが、何故か、どうしてか理屈では説明できないのですが、
ブルベでは「人間力」を問われ、試される状況が毎回必ずあるんですよ。

非日常(ブルベ)で、日常の全てが出てしまう。
日常で目をそらせていることに向きあわせられてしまう。
嫌でも自分の弱いところを見せられてします。

何時来るか判らない一瞬の孤独な自分との闘い。
自分を見つめる作業を沢山してきたつもりでしたが。
死ぬまでこの闘いは終わらないんでしょうね。

自分を欺いて何時までも逃げてはいられない。
という事はどこかで勝負しなければならない。
でも逃げないと自分で決めれば楽しいし勇気も湧いてきます。

ブルベの先達の方々はそれを感じながら、その闘いも含めて
自転車に乗り続けているのではないでしょうか。

社会的な責任が増してくる中高年の自転車乗りが、ブルベに
ハマる理由はそこに隠されているかも。

面白いですね。
僕はそこにブルベの魅力を感じ始めています。

今回も野田さんには大変にお世話になりました。

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プロフィール

shiatsukenkodo

Author:shiatsukenkodo
--------------------------------------------
・石川 正使 丑年生まれ

・在独29年(治療師歴29年)

・独日の治療国家資格を持つ、世界で一番患者さんに恵まれている治療師

・指圧師
 独・医療マッサージ師
 独・理学療法士
 独・リンパドレナージュ
   治療師
 独・スポーツ理学療法士

・ドイツスキーナショナルチームの専属治療師として世界中を転戦

・ドイツチームでオリンピックに参加した唯一の日本人

・渡独前の夢はすべて実現させました

・お陰様で自分の腕一本で海外生活させていただいています

・この仕事が大好き

・今が一番楽しいです

----------------------

・仕事で一番大事な指の怪我が心配で、高校1年生からのめり込んだラグビーを、40歳で引退

・ラグビーを辞めても、好きなスポーツの順番は変わらず、ラグビー、自転車、スキーの順

・健康維持とストレス発散の為、一年中、毎日往復20kmの自転車通勤で、体力抜群のドイツ人相手にバトルを繰り返す毎日を送っている、下りが苦手な元登録レーサー

・生涯のモットーは、

 「人生は強気で行く」
 
 「本物を目指す」

・ ライフワークは

 「治療の探求」

 「ドイツ語の上達」

----------------------

・どう見られるかより「どう在りたいか」を常に自分に問いたい

・生きていく為の仕事ではなく、仕事の為に生きていく人生

・21歳で天職と決めたこの仕事で「知命」を迎え、全ての夢を叶え、生計を立てられる幸せを沸々と感じる昨今

・「職人」「求道心」「前進」

・ブレない生き方

・「初心」「基本」「患者さんを思う心」の難しさ、大切さが最近やっと判りかけてきました

・25年以上もかかってやっと、「治療の基礎」が確立してきたかなぁー、と思う今日この頃

・それに比例して日々増していく「治療は難しい」という思い

・治療を追求すればするほど天井の低い「先細りの筒の中」を進んで行く感じがします

・治療でも人生でも最後の勝負を決するのは、「気」ではないかと考えています

・全ての夢を叶えさせてくれたドイツに感謝

・90歳まで現役治療師として、患者さんに喜んで頂き、社会に貢献する事を、毎朝深く祈念しています

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